実家の相続、どう分ける?揉めずに解決する3つの分割方法と注意点

「親が遺してくれた財産は、今住んでいる実家だけ…」
「兄は実家に住み続けたいと言っているが、私は現金で分けてほしい…」
「兄弟仲は良いはずなのに、お金の話になるとギクシャクしてしまう…」

相続財産の大部分を不動産が占めるケースは、相続トラブルで最も典型的なパターンの一つです。預貯金のように1円単位で分けられないため、誰がどのように相続するのかを巡って、ご兄弟姉妹の意見が対立しやすいのです。

感情的な対立が深まる前に、法律で定められた公平な解決策があることを知っておくことが重要です。この記事を読めば、あなたのご家庭の状況に最適な分割方法が見つかり、円満な相続を実現するための具体的な道筋が分かります。

相続問題に詳しい弁護士が、不動産を公平に分けるための3つの主要な方法、「代償分割」「換価分割」「共有」について、それぞれのメリット・デメリットを具体的に解説します。

なぜ実家の相続はトラブルになりやすいのか?

不動産の相続では次のような特徴があるため、それぞれの希望が食い違うことがトラブルの主な原因となります。

  • 物理的に分割できない
    不動産は「現物」が1つで、現金のように等分することができません。
  • 評価額の算定が難しい
    売却を前提とする実勢価格、相続税計算に使う路線価、固定資産税の基準となる固定資産税評価額など、複数の評価基準が存在します。どの評価額を基準にするかで取得額が大きく変わるため、揉めやすいポイントです。
  • 利用希望の対立
    一方は「親との思い出があるから住み続けたい」、もう一方は「使わないので売って現金化したい」と、希望が真っ向から対立することがあります。
  • 負担の押し付け合い
    誰も住まない場合、維持管理費や固定資産税の負担を誰が負うかで揉めることがあります。


3つの分割方法

これらの問題を解決するために、法律は以下の3つの分割方法を用意しています。

解決策1:【家を残したい方向け】代償分割

代償分割とは、相続人の一人が不動産(実家など)を単独で相続する代わりに、他の相続人に対して、その人の法定相続分に相当するお金(代償金)を支払う方法です。

【具体例】
相続人:兄と弟の2人
遺産 :実家の不動産のみ(評価額4,000万円)
相続分:兄2,000万円、弟2,000万円

兄が実家を相続する場合、兄は弟に対して代償金として2,000万円を支払うことで、実家の不動産を取得します。

メリット
✅ 実家を売却せず、家族の誰かが住み続けることができる。
✅ 現金が欲しい相続人の希望も満たすことができる。

デメリット
❌ 不動産を相続する人に、代償金を支払うための十分な資力(預貯金など)が必要。
❌ 不動産の評価額をいくらにするかで揉める可能性がある。
❌ 代償金の支払いを巡って、新たなトラブルが発生するリスクがある。

💡代償分割がおすすめのケース
・実家に住み続けたい相続人がいる。
・不動産を相続する人に、十分な預貯金や資産がある。

解決策2:【公平に現金化したい方向け】換価分割

換価分割とは、相続した不動産を第三者に売却し、その売却代金から諸経費(仲介手数料や税金など)を差し引いた残額を、相続人間で分割する方法です。

【具体例】
相続人:兄と弟の2人
遺産 :実家の不動産のみ(評価額4,000万円)
相続分:兄2,000万円、弟2,000万円

実家を4,000万円で売却し、売却に要した諸経費が200万円だとした場合、残りの金額を、兄と弟で1,900万円ずつ分け合います。

メリット
✅ 各相続人の取得分が明確で、最も公平な分割方法と言える。
✅ 誰も多額の自己資金を用意する必要がない。

デメリット
❌ 思い出のある実家を手放さなければならない。
❌ 売却には時間がかかり、希望の価格で売れるとは限らない。
❌ 売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、税金がかかる。

💡換価分割がおすすめのケース
・相続人全員が、実家を残すことにこだわっていない。
・公平かつシンプルに遺産を分けたい。

解決策3:【原則非推奨】共有分割

共有分割とは、不動産を複数の相続人の共有名義で登記する方法です。例えば、兄と弟がそれぞれ「持分2分の1」ずつで実家を所有する形になります。

一見、その場は丸く収まるため簡単な解決策に見えますが、専門家としては最もお勧めできない方法です。問題を先送りにするだけで、将来、より深刻なトラブルを引き起こす可能性が極めて高いからです。

メリット
✅ その場での合意形成が比較的容易で、問題を一時的に先送りにできる。

デメリット
❌ 将来の意思決定が困難に:共有不動産を売却したり、大規模なリフォームをしたりするには、共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すれば何もできず、不動産が「塩漬け」状態になります。
❌ 管理・費用の問題:固定資産税や修繕費の負担割合で揉める可能性があります。
相続で権利関係がネズミ算式に複雑化:これが最大のリスクです。兄が亡くなると、その持分は兄の妻子に相続されます。弟が亡くなれば弟の妻子へ…と、世代が進むごとに共有者が増え続け、子や孫の代に大きな負の遺産を残します。

このように共有名義にするのはデメリットが大きいため、将来的に売却することが決まっており、その手続きのために一時的に共有にするなど、ごく限定的な場合に留めるべきです。


話し合いがまとまらない場合は、弁護士へご相談ください

当事者同士での話し合い(遺産分割協議)で合意できない場合は、家庭裁判所での「遺産分割調停」や「審判」といった法的手続きに移行することになります。

不動産の分割方法は、法律的な知識だけでなく、ご家族それぞれの感情も複雑に絡み合う難しい問題です。トラブルが深刻化し、ご家族の関係に修復不可能な亀裂が入ってしまう前に、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

【弁護士に相談するメリット】

  • 客観的なアドバイス
    あなたの状況に最適な分割方法を、法的な観点から公平にアドバイスします。
  • 交渉の代理
    あなたの代理人として他の相続人と冷静に交渉し、精神的な負担を大幅に軽減します。
  • 法的手続きのフルサポート
    万が一、調停や審判に移行した場合でも、あなたの正当な権利を守るために最後まで徹底的にサポートします。


まとめ:問題を先送りにせず、最適な解決策を

遺産が実家だけという状況は、決して珍しいことではありません。しかし、その場しのぎで安易に「共有名義」を選択してしまうと、将来子供や孫の代にまで大きな負担を残すことになりかねません。

代償分割や換価分割といった方法を適切に検討し、全ての相続人が納得できる形で解決することが、円満な相続の鍵となります。

大東法律事務所事務所では、相続問題に関する初回のご相談は無料で承っております。
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