相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する権利を放棄する手続きです。
被相続人に借金がある場合など負の財産が多いときや、相続そのものを辞退するときに取られる手段です。
相続放棄に必要な書類は、放棄をする人と被相続人の関係性によって異なります。
今回は、相続放棄の手続きで必要な書類について説明します。
ただし、相続放棄を進めるためには、相続財産の調査や相続人の調査、申述に必要な書類の用意などを並行して進めていかなくてはなりません。
ご自身での手続きに不安を感じられるのであれば、弁護士へのご相談をおすすめします。
このページの目次
必要書類は申し立てる人と被相続人の関係によって異なる
相続放棄の申立で必要な書類は、被相続人と申述人(相続放棄をする人)との関係性によって大きく異なります。
一般的には、配偶者や親子関係にあれば、必要書類は比較的少なくて済みますが、兄弟姉妹や祖父母などであれば、必要なものが多くなる傾向にあります。
必要な書類が足りなかったり、記載漏れがあったりした場合は、追加書類の提出や訂正を裁判所から指示されることになります。
ミスを最低限におさえ、スムーズに手続きを進めるためには、弁護士など専門家へご依頼すると良いでしょう。
全員に共通する必要書類
被相続人との関係性に関わらず、全員が必ず提出しなければならないのが、
- 相続放棄申述書
- 被相続人の住民票の除票
- 申述人の戸籍謄本
- 収入印紙(800円)
- 切手(申述人1人につき470円 84円5枚、10円5枚)
です。相続放棄申述書は、裁判所のHPからダウンロードが可能です。
ケース別の必要書類
続いて、被相続人と申述人の関係性別で、必要となる書類について説明いたします。
下記のリストの中には、上記で説明した全員に共通する必要書類は含まれておりません。
【配偶者・子供】
- 被相続人の死亡の旨が記載された戸籍謄本
【孫(代襲相続)】
- 被相続人の死亡の旨が記載された戸籍謄本
- 被代襲者(本来の相続人)の死亡の旨が記載された戸籍謄本
【直系尊属(父母・祖父母)】
- 被相続人の出生時に初めて載った戸籍謄本から、死亡の旨が記載された戸籍謄本まで全て(出生時から死亡時までがつながるように全てを提出する)
【兄弟姉妹】
- 被相続人の出生時に初めて載った戸籍謄本から、死亡の旨が記載された戸籍謄本まで全て(出生時から死亡時までがつながるように全てを提出する)
- 直系尊属が死亡している場合には、死亡の旨が記載された戸籍謄本
〈代襲相続人の場合〉
- 被代襲者(本来の相続人)の死亡の旨が記載された戸籍謄本
ご覧いただくとわかる通り、直系尊属や兄弟姉妹の場合、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍を集めなくてはなりません。
これが思っているより大変だったとおっしゃる方が非常に多いです。特に、被相続人が途中で引っ越しや転勤などで住所を転々とされている場合、戸籍が置かれている自治体が複数に渡る可能性があります。
そうなると複数の自治体に対して戸籍請求をしなければならず、手間が増えてしまうのです。
郵送でのやり取りが可能なため、その自治体の窓口まで出向く必要はありませんが、それでも請求にミスがあればかかる時間は増えます。結果、期限内に手続きを完了させられないリスクが高まるのです。
相続放棄のお悩みは弁護士へご相談ください
相続放棄に必要な書類は、被相続人との関係性によって異なるものがあります。
ご自身のケースでは何が必要かを確認し、自治体などから取り寄せる必要があります。
必要書類を集める段階でミスがあると、手続きが遅れて期限を過ぎてしまう可能性があります。
ご自身での対応に不安を感じられているのであれば、弁護士へご相談ください。
必要書類の収集もあわせて、弁護士が相続放棄のお手伝いをいたします。どうぞ、お気軽にご相談ください。