「まさか自分の家族が…」
一番身近な存在であるはずの兄弟と、親の相続をきっかけに関係がこじれてしまうケースは、残念ながら決して少なくありません。財産の大小にかかわらず、長年の感情のもつれや些細な認識の違いが、「争続」という深刻な事態を引き起こすのです。
この記事では、兄弟間の相続でなぜトラブルが起きるのか、その典型的なパターンを解き明かし、あなたが今直面している問題を解決するための具体的なステップを解説します。
一人で抱え込まず、冷静に状況を整理し、最善の解決策を見つけるための羅針盤としてご活用ください。
このページの目次
兄弟間の相続トラブル、典型的な5大原因
兄弟間の相続で最も起こりやすい5つのトラブル事例を紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせ、問題の核心がどこにあるのかを確認しましょう。
原因1:親の財産が不透明。「使い込み」や「財産隠し」が疑われる
状況:
親と同居していた兄が、生前の親の預金を管理していたが、その使途が不透明。相続財産が想定より極端に少ない 。
法的ポイント:
親の生前の預金引き出しが、本人の意思に基づかない不当なものであれば、「不当利得」として返還を求めることができます 。まずは財産内容の開示を求め、必要であれば法的手続きを検討します。
【詳しい解説はこちら】
兄弟が親の財産を使い込んでいる場合の対処法|証拠集めから返還請求まで
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原因2:「長男に全財産を相続させる」など、不公平な内容の遺言書が見つかった
状況:
親が特定の兄弟に全ての財産を譲るという内容の遺言書を遺していた。自分には全く財産が遺されず納得できない 。
法的ポイント:
遺言書の内容が絶対ではありません。兄弟姉妹には、法律で保障された最低限の取り分である「遺留分」を請求する権利があります 。
【詳しい解説はこちら】
遺留分侵害額請求とは | 遺留分侵害額請求の流れ
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原因3:自分は何もしてもらっていないのに、弟だけ多額の生前贈与を受けていた
状況: 弟が親から住宅購入資金として1,000万円の援助を受けていた。その事実を無視して、法定相続分どおりの分割を主張している 。
法的ポイント:
このような生前の特別な援助は「特別受益」とみなされ、相続財産に一度持ち戻して(加算して)各人の相続分を再計算するのが原則です。これにより、相続人間の公平を図ります 。
【詳しい解説はこちら】
親の生前に兄だけ多額の贈与(特別受益)を受けていた。相続分を公平にする方法とは
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原因4:親の介護を一身に担ったのに、他の兄弟と相続分が同じなのは不公平だ
状況: 長年、自分だけが親の介護や身の回りの世話をしてきた。他の兄弟は何もしていないのに、同じ相続分では到底納得できない 。
法的ポイント: 被相続人の財産の維持または増加に特別な貢献をした相続人は、その貢献度に応じて相続分の上乗せを主張できる「寄与分」という制度があります 。
【詳しい解説はこちら】
親の介護を一身に担った私。相続分を多くもらう権利(寄与分)は認められるか
原因5:遺産が「実家」の不動産しかなく、分け方で意見が対立している
状況: 兄は実家に住み続けたいと主張し、自分は売却して現金で分けたいと考えている。預貯金がほとんどなく、公平な分割が難しい 。
法的ポイント:
不動産の分割には、つぎの3つの方法があります。
①不動産を売却して金銭で分ける「換価分割」
②一人が不動産を取得し他の兄弟に代償金を支払う「代償分割」
③共有名義にする「共有分割」
それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な方法を協議する必要があります 。
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トラブル解決への3ステップ|冷静かつ戦略的に進めるために
相続問題を解決するためには、感情的な対立に陥る前に、問題解決に向けた正しい手順を踏むことが重要です。
ステップ1:まずは当事者間で話し合う(遺産分割協議)
まずは全ての相続財産をリスト化した「財産目録」を元に、当事者同士で冷静な話し合いを目指します。
感情論ではなく、法的な権利(法定相続分)や客観的な資料に基づいて交渉することが、解決への第一歩です。
ステップ2:弁護士を代理人として交渉を依頼する
当事者同士では話が進まない、または感情的になってしまう場合には、法律の専門家である弁護士を介して交渉を進めます。
弁護士が間に入ることで、相手も冷静になり、法的に妥当な解決案での合意が期待できます。弁護士に交渉を一任することで精神的な負担も大きく軽減されます 。
ステップ3:家庭裁判所の「遺産分割調停」を利用する
交渉が決裂した場合には、裁判所に対して「遺産分割調停」を申し立て、調停委員という中立な第三者を交えて裁判所で話し合います。
調停は裁判ではなく、あくまで話し合いの場です。調停でも合意に至らない場合は、最終的に裁判官が分割方法を決定する「審判」手続きに移行します 。
兄弟間の相続トラブルを弁護士に依頼するメリット
こじれてしまった兄弟間のトラブルを自力で解決するのは非常に困難です。弁護士に依頼することで、以下のような大きなメリットがあります。
メリット1:相手との直接交渉から解放され、精神的負担が激減する
あなたの代理人として、全ての交渉窓口になります。顔も見たくない兄弟と直接話すストレスから解放されます 。
メリット2:法的な根拠に基づき、あなたの正当な権利を主張できる
「寄与分」や「特別受益」など、専門知識がなければ難しい主張も、証拠に基づいて的確に行い、あなたの利益を守ります 。
メリット3:相手の感情的な主張や不当な要求に惑わされず、冷静に対応できる
「長男だから」といった法的には通用しない主張に対し、冷静に反論し、法に基づいた公平な解決を目指します 。
メリット4:財産調査から遺産分割協議書の作成まで、複雑な手続きを全て任せられる
時間と手間のかかる戸籍収集や財産調査、法的に有効な書類作成まで一括してサポートします。
メリット5:調停や審判といった裁判所の手続きも、最後まであなたを強力にサポートできる
万が一、法的手続きに移行した場合でも、あなたの代理人として有利な解決が得られるよう、専門家として最後まで戦います 。
【詳しい解説はこちら】
遺産相続を弁護士に依頼するメリット
問題を先送りにせず、専門家への相談という第一歩を
兄弟間の相続トラブルは、時間が経てば経つほど感情的なしこりが深まり、解決が難しくなります。また、相続税の申告期限(相続開始を知った日から10ヶ月以内)など、法的なタイムリメットも存在します。
「どうせ話しても無駄だ」と諦める前に、まずは専門家である弁護士にご相談ください。法律の専門家という第三者が介入することで、突破口が見えるケースは数多くあります。
当事務所では、相続問題に関する初回のご相談は無料で承っております。あなたの状況を丁寧にお伺いし、法的にどのような選択肢があるのか、今後の見通しを分かりやすくご説明します。一人で悩まず、まずはお気軽にお問い合わせください。