家族信託の流れ

家族信託の手続

家族信託は、認知症による資産凍結の防止や柔軟な財産管理方法、世代を超えた財産の承継方法として、近年注目を集めています。

それぞれの家族の状況に応じて自由に設計することで、個別の事情に応じた柔軟な対応をすることが可能となります。

ここでは、家族信託を行う際の手続の流れと各手続の内容について、分かりやすく解説します。

家族信託の手続

家族信託を行う場合には、次のような手続を順番に行います。

  1. 家族信託の設計
  2. 信託契約書の作成
  3. 信託契約書を公正証書にする
  4. 信託用の銀行口座の開設
  5. 信託財産の名義変更・登記手続
  6. 信託による財産管理の開始
  7. 信託契約の変更・解除

1 家族信託の設計

家族信託を行う際の最初のステップは、信託の目的と内容を決めることです。

何のために家族信託を行うのか、資産管理や相続対策、障害者の生活費の確保など、家族のニーズに応じて目的を設定します。

信託の目的が決まったら、これを実現するために、どのような内容の家族信託を行うかを考えます。

具体的には、信託財産の範囲、信託の内容、本人に代わって財産を管理する者(受託者)、信託による利益を受ける者(受益者)、信託財産の管理・運用方法などについて決めていきます。

この際、家族信託や相続に精通した弁護士や司法書士に相談することで、ご本人の様々な状況や要望に応じて、最適な家族信託の提案を受けることができるでしょう。

専門家のアドバイスを受けながら、家族でじっくりと話し合いましょう。

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2 信託契約書の作成

信託の目的と内容が決まったら、次に信託契約書を作成します。

信託契約書には、信託の目的、信託財産の範囲、受託者、受益者、信託財産の管理・運用方法、受託者への報酬など、信託に関する重要事項を記載します。

信託契約書が後から法律的に無効となったり、解釈に誤りが生じたりしないようにするためには、弁護士や司法書士などの専門家に相談されることをお勧めします。

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3 信託契約書を公正証書にする

信託契約書が作成されたら、公正証書にすることを検討します。

公正証書にすることで、偽造や加筆されることを防ぐことができるため、信用性が高く、争いになった際にも有効な証拠として示すことが可能です。うっかり紛失してしまうことや、例えば万が一火災などにより消失してしまうことも防ぐことができます。

また、後述の信託口口座を作成する場合には、信託契約書を公正証書とすることを条件としている金融機関がほとんどです。

公正証書にするためには、信託契約書を公証人に提出し、公証人の立会いのもとで信託契約を締結する必要があります。

なお、信託契約書を公正証書にする際には、公証人への手数料が発生します。

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4 信託用の銀行口座の開設

信託財産として金銭を信託する場合、専用の銀行口座を開設する必要があります。

家族信託した金銭を管理するための口座としては、次の2種類があります。

  • 信託口口座
  • 信託専用口座

信託口口座

信託口口座とは、信託法の規定に則り、金融機関において特別に開設される口座です。

受託者個人の財産と区別して扱われ、仮に受託者が破産したり差押えを受けたとしても影響を受けないというメリットがあります。

一方で、取り扱っている金融機関が限られており、また、口座の開設に費用と時間がかかるという点に注意が必要です。

信託専用口座

信託専用口座とは、信託財産を管理する受託者個人名義の普通口座を指します。専用の普通口座を開設し、信託契約書に口座番号などを特定することで、信託専用口座とします。

口座の開設が容易であり、費用もかからないというメリットがあります。

一方で、受託者個人が破産したり差押えを受ける際に、受託者の財産と区別されずに影響を受ける可能性があるので注意が必要です。

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5 信託財産の名義変更・登記手続

信託契約が成立したら、信託財産を受託者の名義に変更します。

特に不動産などの登記が必要な財産については、所有権移転登記・信託登記などを行う必要があります。登記手続は専門的な知識が必要なため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することが一般的です。

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6 信託による財産管理の開始

信託財産の名義変更や信託口座の開設が完了したら、信託による財産管理が開始されます。受託者は、信託契約書に記載された内容に従って、信託財産の管理・運用を行い、受益者に利益を分配する責任があります。また、受託者は信託財産の運用状況や受益者への分配状況を定期的に報告することが求められます。

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7 信託契約の変更・解除

信託の途中で状況が変わった場合には、信託契約の変更や解除が可能です。

信託契約の変更や解除をする際には、再度専門家に相談することが望ましいでしょう。

家族信託に悩まれたら弁護士にご相談ください

家族信託に関する手続は専門的な知識が必要であり、適切なアドバイスやサポートが欠かせません。専門家に相談することで、様々な状況や要望に応じた最適な家族信託の提案を受けることが可能となります。

当事務所では、家族信託の設計から信託契約の締結、登記手続までトータルでサポートし、資産管理や相続対策を円滑に進めるお手伝いをいたします。

家族信託に関する初回相談は無料でお受けしております。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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