財産目録とは、被相続人(亡くなった方)が所有している財産を一覧にまとめたものです。
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金やローンなど)も記載しておくことで、相続に関わる財産の内容が一目でわかります。
財産目録は相続の手続き上、必ず作成しなければならないものではありません。
しかし、作成することで無用なトラブルを避けられる他、円滑に相続手続きを進めることが可能です。
ただし、財産目録は正しく記載をしないとその効果を発揮できません。ご自身での作成にご不安があれば、弁護士など専門家へ作成を依頼することをおすすめいたします。
このページの目次
財産目録を作成するメリット
相続トラブルを防ぐ
相続のトラブルの原因として多いのが、相続の対象となる遺産がどれくらいあるのか相続人も把握できていない、ということがあります。
きちんと財産を把握できていないと、「もっとたくさんの遺産があるのではないか」「自分はわざと少ない分け前を提示されているのではないか」と疑心暗鬼になってしまいます。
その結果、遺産分割協議が全く進まないという事態に陥る可能性もあるのです。
財産目録を作成しておけば、一目でどのような財産があるのかを把握できるので、トラブルを防止できます。
また、どの金融機関で手続きしなければならないか、どれだけ時間がかかりそうかの見通しを立てることができます。
いつまでに、誰が、どこへ、どんな手続きをする、といった予定も立てやすくなります。
相続放棄を決める判断基準となる
財産の状況によっては、相続放棄を検討される方もおられるでしょう。
財産目録を作成しておけば、プラスの財産とマイナスの財産双方を記載するので、どちらがどれだけ多いかが把握できます。
相続放棄をするかどうか決める、大きな判断材料となるでしょう。
マイナスの財産があったとしても、「限定承認」をすることも考えられます。
限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を上限として、マイナスの財産を相続することです。
被相続人に借金などマイナスの財産があるが、自宅などどうしても手放したくないプラスの財産もある場合などに検討できます。
例えば、500万円の自宅というプラスの財産と、1,000万円の借金というマイナスの財産があったとします。
限定承認をすれば、500万円分の自宅と、借金500万円分を相続することになるのです。
財産目録を作成することで、どのように相続をプランニングしていくべきかがわかりやすくなるのです。
財産目録の作成は弁護士へご相談ください
財産目録を作成しておけば、遺産分割協議をスムーズにすすめやすくなりますし、相続人間で疑心暗鬼になってしまってトラブルが発生することを避けられます。
しかし、肝心のその財産目録に記載漏れがあったり、必要な情報が抜けていたり、財産の評価が正確でなかったりすると、一転トラブルに発展する恐れがあります。
遺産の種類が多岐にわたる場合などでは、弁護士など専門家に作成することをおすすめします。
当事務所にご相談いただければ、正確な財産目録を作成するだけでなく、その後の遺産分割についても適切なアドバイスをすることが可能です。
どうぞお気軽にご相談ください。